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自分のコントロールのしかた ――学習における「体」――

 人は思ったように動けるでしょうか?
 ぼくはいろいろな生徒を見てきて、それは不可能だと思っています。もう少し詳しく言えば、「思う」のと「動く」のはそれぞれ全く別の行動だと思っているのです。だから、生徒の言うことを鵜呑みにはしません。それよりも、生徒のやっていることを注意深く観察します。そして、それに応じて、対処法を考えます。
 ぼくもたまに良い先生だと呼んでもらうことがありますが、もし本当にそうだとすれば、それは何よりも、言っていることよりやっていることに注目して、適切に対応しているからだと思います。
 実は、科学的に裏付けられたセルフコントロールの仕方もこれと同じです。
「こうしよう」と思っても、人はその通りにはなりません。そんなに簡単に思った通りに動けるなら、誰だって夢を叶えているでしょう。でも、実際はそうはなっていません。思ったってできないのが多くの人間なのです。
 ではどうしたら良いのでしょう?
 たまに「本気で願え」という人がいますが、残念ながら、それではうまくいきません。そもそも「本気」になる方法がわからないのですから。「本気」なんて言葉を使う人の話は、話半分に聞くべきです。
 夢を叶える人は、自分が意思通りに動けないことを理解している人です。そのうえで、自分がうまく動けるように工夫する人なのです。
 それにはどうするか。まずは自分を観察するのです。そして、どういう時に勉強していて、どういう時に、怠けてしまうのか、遊んでしまうのか、を知ることです。そして、自分が勉強する場面を、自分に対してうまく作ってあげるのです。夢を叶える人は、こういう工夫をしているのです。
 うまくいく人は、自分を大切に扱える人です。思っただけで自分を動かそうだなんて、自分を適当に扱うのはやめてください。「自分」はもっと繊細です。よく観察し、大切に、注意深く、敬意をもって、扱いましょう。こうした自己へのケアこそ、自分をコントロールする鍵なのです。
 君たちは、自分をどう扱いますか?(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)