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運に頼るな、運を制御せよ

 勝負ごとになると運が話題に上ります。そのせいか、最後の最後に運頼みをしたくなる人たちもいます。
 さて、入試において運は影響するのでしょうか。
 これはちょっと考えれば簡単にわかる話ですが、もちろん運は影響します。たとえば、AさんとB君は偏差値は同じですが得意な分野が違います。入試でAさんの得意な分野ばかりが出題されたらどうでしょう。同じような努力をし、同じような実力であったとしても、Aさんは合格しB君は落ちるということも十分にあるわけです。
 教育内容の全範囲をまんべんなく確認することはほぼ不可能であり、入試問題は出題箇所を選ばざるをえません。そして、選ばれる箇所によって、ある人にとっては得になり、ある人にとっては損になるということがあるわけです。
 では、この状況に対してどうすればよいでしょう? 運頼みをしますか?
 ぼくは運頼みを勧めません。それは運頼みの効果が無いからだけではありません。もし、運頼みをして、たまたまうまくいった場合、その人は、その後の人生も運頼みをするようになりがちだからです。そして、運頼みではどこかで必ず負けるときが来るからです。いや、いちばんの理由は、それが実力を蓄えようという向きの力を弱めるからです。
 一回の勝負ごとで人生は決まりません。この後、何度も勝負する機会が現れます。その都度努力して実力を蓄えていく人と、その都度運によって何とか乗り切とうとする人と、どちらが良い人生でしょう?
 たしかに、落ちるよりは受かった方がいいと誰もが思うでしょう。でも、実力をつけていないなら、一回の勝負ごとで勝ったとしても、長い目で見れば、何の役にも立たないのです。
 それでもやっぱり勝負には勝ちたいって人に、アドバイスします。
 いま述べてきたように、勝負ごとに絶対はありません。だけど勝つために必要なことを知って、それを達成するために、苦手なことを減らしたり、得意なことをさらに伸ばしたりする努力をしていけば、勝負に勝てる蓋然性(確率)は高まります。つまり、どこが出ても「運が良かった」と言えるようになる確率が高まるわけです。
 この蓋然性を少しずつ高めていくのが人生だとぼくは思っています。自分のやりたいことを達成するために、毎日少しずつそれが可能になるように変化していく。このことを努力と呼ぶのだとぼくは思います。そう、努力によって、ぼくたちは運をコントロールしているのです。
 絶対はないけれど、こうやって、人生の可能性を広げ、やりたいことができる蓋然性を高めていく。運を制御する。これこそ、生きるということだと思うのです。将来の立派な自分のために、今日何ができるでしょう?
 君たちは、どう人生の蓋然性と付き合っていきますか?(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)