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「測られる時」を輝かせるために

 人生にはどうしても「測られる」時があります。入学試験や入社試験などです。うまくいった場合とうまくいかなかった場合とで、大きな違いがあるように思える場面です。
 この場面が時にドラマティックに映るのは、自分の成長のペースとは違った、他者によって与えられたペースを要求されるからでしょう。そこには困難もあれば、喜びもあります。人間は他者との関係で、苦しみと喜びを感じるからです。「そこで人は社会化されるのだ」と言っても大げさではないのかもしれません。
 実は、今般の入試は、個人的に感慨深いものがありました。ぼくは以前ある生徒の中学入試に伴走しましたが、期待した結果をえることができませんでした。結果だけを大切にする塾であったなら、また、結果だけを大切にするご家庭であったなら、その生徒との縁はそこで切れていたかもしれません。
 しかし、ぼくらには友情のようなものが生まれていました。結果よりも、入試の準備でともに成長している実感があり、結果よりもそのことが大切だと、恐らくお互いに感じていました。だから、その生徒は、塾に残ってくれた。
 落ちてしまった学校よりももっと評価の高い、レベルの高い高校に行こう。こう言って、中学生活の一日一日を大切に過ごすように伝えました。その生徒は、そのアドバイスをしっかり守ってくれました。部活でも活躍しながら、日々の復習を確実にやり続けてくれました。
 それから3年。その生徒は見事に、誰もが認める結果を出してくれました。ぼくたちのリベンジが成ったのです。
 このドラマのポイントはどこでしょうか。今回合格したことでしょうか。そうかもしれない。でも、ぼくは、そんな結果よりもやっぱり、その生徒が成長しつづけてくれたことを祝いたいのです。
 以前、大学入試で苦杯を喫した生徒が言ったことばをぼくは大切にしています。
「高校入試で落ちてた方がよかった(そうしたらもっと早くから真剣になれていた)」
 成功物語は、決して成功だけが詰まっているのではありません。いろんな失敗を経験しながら、それを糧として、もっと大きな自分になっていく、そんな成長物語こそ、本物の成功物語なのです。
 そして、その言葉を吐いた生徒も、大学でしっかり頑張り、立派な社会人になっています。
「測られる」時はもちろん大切です。でも、その「時」を本当に輝かせてくれるのは、日々の君の生き方なのです。失敗も成功も、困難も喜びも、全部、君の人生です。
 君たちは、日々を、どう生きますか?(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)