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エデュカーレ2021年4月号~ 君たちはどう生きるか

「できる」より「わかる」、「わかる」より「わからない」

 「できることが大切、できればそれでいい」と考えている人が多くいます。でも、「できる」ことなんて大したことじゃありません。「できる」より「わかる」方が上だし、さらに「わかる」よりも「わからない」方が上だということをお話ししたいと思います。
 よく「わかっているけど、できない」という言葉を聞くことがあります。でも、これはおかしなことです。こういう時には、「じゃ、わかっていることを説明してみて」と言えば、全然ちゃんとわかっていないことがはっきりするのが常です。ちゃんとわかっていれば、できるものです。
 逆に、「できるけど、わかっていない」ことの方が実は多いと思います。わかっていないけど、なんか解ける。わかっていないけど、空欄に入る単語はなんかわかる。こういう程度の勉強をしている人はたくさんいます。
 新井紀子さんも指摘していましたが、これは悪いテスト問題のせいでもあります。「空欄を埋めなさい」式の問題では、理解よりも単語の暗記に走る生徒が大量生産されるのは当然でしょう。理解よりも暗記を大切にする勉強法が身についてしまうと悲劇です。将来の勉強人生に暗雲が垂れ込めます。
 理解(「わかる」)を大切にすれば、自然と「できる」のに、それに時間がかかるからと、頭を使わずに、簡単な策である暗記に走ってしまう。たしかに、多少の点は伸びるのだけど、将来が犠牲になるのです。
 目先のちっぽけな「できる」なんてどうでも良いことです。大切なのは「わかる」こと。「時間をかけて『わかる』」ことです。時間的効率を求めて、簡単に暗記で点を取ろうとする人は、最も大切な非認知能力である「時間をかけること」ができなくなってしまうのです。
 さて、でも、わかっていればそれでいいわけではありません。「わかる」に留まっていれば、そこには発展がないでしょう。もっと大切なのは「わからない」ことです。「わからない」には無限の可能性があります。「わからない」は頭を使う原動力です。
 もし「わかる」が一番大切ならば、説明をすぐに訊けばよいのでしょう。でも、本当に大切なのは「時間をかけて頭を使うこと」ですから、「わかる」ことをすぐに求めるよりも、「わからない」ことに時間をかけられるのが大切なのです。
 どんな場合も、結果が手に入ることよりも、自分が頭を使っているという事実が一番大切です。なぜなら、「頭は使うから良くなる」からです。簡単に得た知識は頭の良さとは無関係です。頭を使いましょう。「わからない」を大切にしましょう。
 君は、どう「わからない」と向き合いますか。(S)