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やり方がわからなくても必死にもがく

 私が感謝しているのは、人生のその時々に師と呼べる人が存在していることです。小学校3,4年次の担任の先生、中学の時の体育の先生、高校3年間の担任の先生、大学時代の恩師たち、そして今も師と仰ぐ尊敬すべき「先生」がいます。
 今回は、今の「先生」、私が尊敬してやまない中野良顯先生の話をしたいと思います。
 先生は、筑波大学、上智大学で行動主義心理学を講じられながら、行動分析学会の理事長などの要職を歴任され、自閉症児への支援の分野で大変重要な業績を残されました。(行動主義心理学の世界では、比類ないビッグネームです。)そして、大学教員を退職された今も、後進を育てるために、わがGAKUSOで(!)、毎月勉強会を開かれています。
 先生は8歳の時にご尊父が落雷により命を落とされ、5人兄弟の長男として新聞配達などをしながら大変困難な幼少・少年期を過ごされました。
 先生の貧しい高校生時代、お父様のご友人だったお医者様が中野先生を毎月呼び出し、教科書の暗唱の確認をしたといいます。そして、どこを訊かれてもしっかりと答えられると、小遣いをくれたと言います。そして先生はそれを学費に充てられたのです。
 ある方が、中野先生に、「どのように暗記したのですか?」と尋ねたことがあります。先生の答えは単純でした。
「そりゃ必死に憶えただけです」。
 人間は、まだ真剣になれていない時は、簡単にできる方法論を欲します。でも、本当に人間を鍛えるのは、やり方がわからない中、必死にもがく経験ではないでしょうか。
 簡単なやり方を教えてもらって点を取ったところで、そんなものには価値はありません。やり方がわからなくても必死にもがく姿勢に価値があるのだと思います。
 皆さんは、目の前の勉強にどう向き合いますか?(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)