GAKUSOの高校クラスは、基礎基本の徹底を第一にしています。二流を目指すのであれば、そんな七面倒くさいことをする必要はありません。世の中の多くの塾や予備校に通う生徒のように、解き方を教えてもらい、それをただ暗記したらよいのです。しかし、一流を目指すのであれば、なぜその解き方をするのかを考え、どのようにしてその公式が成り立っているのかを探り、あるいは、何のために学ぶのかを日々自問しなければならないのです。
私たちは一流を目指します。これはいわゆる銘柄大学を目指すということを直接意味しているわけではありません。むしろ、一流の生き方を目指しているのだと私たちは信じています。
問題が解ければいい、とりあえず受かればいい、こんな考え方は二流のものです。どうせ学ぶのであれば、学問の真理に近づこう、他人よりもっと深く知ろう、学問に対して誠実に接しよう、こういう考え方を持ってほしいと思っています。私が大学や社会で出会ってきた一流の人たちはそういう人たちなのです。
こうした姿勢で学ぶことの利点はたくさんあります。まず、基礎基本をしっかり理解して、その仕組みを理解していれば、それを複雑な問題に合わせて応用して使うことができます。「こういう場合はこうする」式で教わった人の仕事のやり方が、難しい場面ではなかなか役に立たないのに対して、何のためにそれをやっているか理解している人は、自分で適切なやり方を創造できるのと同じことです。
しかし、そうした「こっちの方が得ですよ」式の利点よりも何よりも、こうした姿勢で学ぶことは、人間を一流にしてくれるという最大の利点があります。二流の人は、自分の実力とは不相応のところに受かったらいいなという気持ちを持っています。こんな人に、人生で大きな仕事ができるでしょうか。一流の人は、実力が足りないなら落ちるべきだと知っているのです。自分がその一流の名にふさわしい人間になろうと、日頃から努力しているのです。
最近の子たちは(…と、こういうことは言いたくないのですが)、なにか得することを求める傾向にあるように感じています。しかし、本当に大きな仕事をする人は、人が損と思うことを進んでやれる人ではありませんか。少なくとも、私は、そうした人間を育てることが教育だと信じています。
こうした発想の授業で、実力を身につける生徒が多くいることは、私のキャリアが語っています。しかし、もちろん、こうした発想に慣れていない生徒たちも多くいることも知っています(特にこの地に塾を開いてみて)。最近私は、こうした価値観は、小学校・中学校から伝えていかなければならないものだと思うようになりました。
何度も繰り返して言いますが勉強の成績なんて役に立ちません。勉強に向き合う姿勢こそがその人の価値を決め、その人の人生をつくり出してくれるのです。ただ点数が取れることには価値がありません。その点数がどのようにして生み出されたかに、価値があるのです。(S)