学習力創造アカデミー(学創)は、ある二つの問いに答えるために存在しています。その問いとは、
「同じ教科書で同じ先生が教えているのに、できる子とできない子があらわれてしまうのはなぜなのか?」「どうしたらその溝を埋めることができるのか?」です。
学創はそのスタートからこの問いに徹底的に向き合い、クラスのレベル分けと言った教育の皮を被った商業主義に堕することなく、その問題を解決することを目指してきたのです。
学習力を創造するという塾名は、その問題を解決しようとする意志に由来しているのです。
さて、結果はどうだったか?
教育においてすべてが上手くいったとはなかなか言えませんが、それでも、ぼくがこの仕事を続けようと思えるだけの成果はありました。
小学校の担任の先生から学習障害だと言われ病院に通っていた子が、6年学創に通った後の中学三年生時点では偏差値が70を超える生徒になっていたこと。それが、そもそも偏差値の高かった子とも混じって学び、全員の偏差値が伸びたこと。
あるお母さんから不意打ちの感謝の言葉をもらったこともあります。そのお母さんの子は、小学生の頃から通級(通常学級と特別支援学級との併用)しながら、定期的に知能検査を受けていたそうです。そのお母さんから「この塾に通わせ出してから、知能指数が上がったんです」と。そして、その時一緒に学んでいた子たちの一部は、早慶などの難関大学に入っているのです。(もともと偏差値の高い子たちにも好影響があるのです。)
ぼくたちがインクルーシブな教育にこだわり、むしろ複式学級でそれを拡大するようにしている理由がわかるでしょう?
さて、学習力に関してもともと持っていた仮説に加えて、実践しながらいろいろ気づいたこともあります。
どうも学習力は、3つの力で構成されているようです。「読解力」「考え方」「人間関係力」です。
開塾当初は「読解力」関連のみの影響だろうと考えていたのですが、文献研究と実践の結果、現在は上の三つが揃うことの重要性がわかってきました。そして、確かに、ぼくが大学生の時からやってきた授業には、これら三つの要素が揃っていたし、特に上手くいった代は全てが大切にされていたと気づきます。
人間関係力が学習力をつくっていることに君は驚くかもしれません。しかし本当のことです。そもそもはシカゴ大学の研究から示唆を得たのですが、よく観察してみると本当だとわかりました。
たとえば、上の二番目の例の子は、授業中に笑うようになってから知能指数が上がりだしたのです。それは先生や他の生徒たちとの話し合いに参加しだしたことと軌を一にしています。
他者と交わる楽しい授業で、頭を使うことにこだわり、柔軟な考え方を持つこと。大切なのは、目先の点数にとらわれず、ちゃんと楽しむことなのです。この辺りのことはまた詳しくお話ししましょう。
君たちは今日どう楽しみますか?(S)