君は、君の成績を決めるのはどんな要素だと思いますか?
その問いに答える前に、教育ということに関してよく引用される、二人の偉人の言葉を記してみたいと思います。
Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school.
(教育とは、学校で学んだことをすべて忘れてしまった後に残っているもののことだ。)
これは20世紀最大の物理学者の一人、アルバート・アインシュタインの言葉です。
Education is what survives when what has been learned has been forgotten.
(教育とは学ばれたことが忘れられてしまった時になお生き続けているもののことだ。)
こちらはぼくの敬愛する、行動分析学の祖バーラス・フレデリック・スキナーの言葉です。
ほぼ同じことを言っています。では、「学んだことを忘れてしまってなお残っているもの」ってなんでしょうか。
ぼくの考えでは、それこそ、最初の問いの答えなのです。
別の角度から話してみます。
シカゴ大学の研究グループが学業成績の優秀な生徒について調べました。
まずわかったことは、成績の良い生徒は「自発的に勉強行動を多くとる」ということでした。
勉強するから成績が良いって、すごく当たり前のことを言っていますよね。
大切なのはここからです。
では、どのような生徒が勉強行動を多くとっているのでしょう?
研究は語ります。それは「根気強く」「良いマインドセットを持ち」「学習方略を持ち」「人間関係に優れている」生徒だったのです。
成績を決めるのは、こうした数字化できない力(非認知能力)だというのです。
言い換えるなら、自発的な勉強行動をとれる生徒は、粘り強く、物事を前向きに捉え、工夫しながら学習し、他者に気をつかえる生徒なのです。
これって、いわゆる「できる人」ですね。
君は簡単な方法で成績を上げたいですか? 自分は成長しなくても点が取れるなら良いですか?
小学校の時に詰め込み塾で勉強しても、こうした能力が鍛えられないなら「勉強しかできない人」になってしまいます。
せっかくなら、「できる人」になりましょう。そうすれば、当然、「勉強もできる人」になるのです。
勉強は、人生のための修行なのです。修行の内容は忘れても、その「精神・行動」は君の中に残ります。
これこそ、冒頭の二人の偉人の言葉の意味であり、君の成績を決めるものだとぼくは思います。
君は、今、どう修行しますか。(S)