ぼくは、いろんな混乱や不幸の原因には、目的(goal)と目標(target)の混同があると思っています。目標を目的ととり違えたり、目的を忘れて目標にこだわったりすることで、苦しくなるし、やる気も引っ込んでしまうと思うのです。
君はなんのために教育を与えられていると思いますか。もちろん、国家社会を動かしていくうえで国民の知的水準を高める必要があるという国家側の理屈もあります。その一方、君自身の自己実現を応援するという理屈ももちろんあります。君が立派な大人になって、幸せな人生を切り拓くための力を得るために教育はあるという考えです。
教育の目的が、君が幸せに生きるための実力を得ることであるなら、君はどう学ぶべきでしょうか。
ぼくは、楽しんで学ぶべきだし、他の人と協力して学ぶべきだし、深く追求して学ぶべきだと思います。それが、君が人生を生きるうえでの実力につながると信じるからです。
その時、目標はとても役に立ちます。目的達成のためには、やはり努力が必要です。自分を努力に向かわせるための君なりの決め事や、君の行動を促すものに、目標はなってくれます。
たとえば、遺伝子の研究をしたいから、まずは医学部に行こうとか、思い切り頑張るためにトップの高校を目指してみようとか、目標のおかげで、自分の生きる力を鍛えることができるのです。
だけど、その役に立つ目標が、一歩間違えば、君を不幸に落とし込んでくれます。教育の目的は君が幸せに生きることなのに、それが忘れられて、目標の達成だけが全てかのように勘違いされてしまうことが多々あります。医学部に受かればいいとか、トップ高に受かればいいとか、点数が取れればいいとか、そういった考えは、努力をつまらなくさせ、目的達成を遠ざけるのです。
点数が取れればいいんだと勘違いした子は、理解しないまま簡単な暗記に頼り、時に不正を働き、点数の虚偽申告をしたりします。(実際にそういう子たちがいるのです。)そしてもちろん、本物の実力が身についていないのだから、「次の関門」でつまずくわけです。
だから、君は目的を忘れないでほしいし、決して目標を目的と混同しないでほしい。点数が取れれば良いのではなく、君が実力を蓄えなければ意味がないことを理解して、日頃の勉強に取り組んでほしいと思います。それができたとき、勉強は遊びのように楽しくなります。本当です。
君は、どう学びますか。(S)
