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誤解あふれる「読解力」

「読解力は、全ての教科の偏差値を上げる唯一最強の武器だと思います」

これは当塾で小学校6年生以来7年間学んで東大に合格した当塾スタッフの言葉です。
この言葉には、当塾の考えがよく表れていると思います。

読解力ないしは論理力が学力を上げるうえで大切なものだということは広く認識されるようになりました。
しかし、では読解力とは実際どんなものなのか、どうやって鍛えるのか、については、ほとんどの方々が誤解されていると、私たちは考えています。

それは、読解力の大切さを謳う多くの塾や予備校がやっていることを見てもわかります。
彼らは読解力アップのために、語彙を鍛えろだとか、対比関係を見ろだとか、具体と抽象に注意して読め、だとか、兎角、読解力を高めることはスキルを手に入れていくことだと考えている様子です。

そして、皆様の中にもそのようにお考えになっている方々が多いのではないかと愚考いたします。

と言いますのも、読解力や論理力が大切だと私たちが訴えているところに、賛成してお越しになる親御さんたちの多くが、特別な読み方や書き方があると考え、それを教えてもらえるのだろうと期待して来られるからです。

誤解あふれる現状を説明しようとして少し引っ張りすぎましたでしょうか。そろそろ、私たちの考えを述べようと思います。

私たちは、読解力とは、スキルを外から付け加えていくものではなく、全くその逆で、自分の「わからない」という感覚を尊重することだと思っているのです。

どういうことか。
私たちは、高校生に対しても、「小5の力で読みなさい」と指導します。わかった風に読むのではなく、小5の自分だったらきっと「わからない」と言って止まるだろうという感覚を大切にしなさいと指導するのです。

小5の力で読もうとすれば、自ずと読むのもゆっくりになりますし、わからないところでは立ち往生することがしばしばです。
つまり、簡単に速く読む方法とは、真逆のことをやるわけです。

しかし、その結果どうなるかと言うと、多くの生徒が、難しい論理学の教科書も、高度な数学や英語の内容も、小5の力で理解できることに気づきます。

これが、冒頭の当塾スタッフが言い、私たちが考える、読解力なのです。

そして、ここには、読解力だけにとどまらない教育観、人生観があります。

スキルを得ようとしたり、結果を欲しがるマインドには、最小限の努力で最大の効果を得たいという発想があります。
そうした効率的発想を悪く言うつもりはありませんが、私たちの教育観はそれとは全く違います。

将来、社会で活躍するためには、あるいは、将来、人の上に立つリーダーになるためには、あるいは、人生を自らの力で切り拓いて幸せに生きていくためには、最小の努力で最大の効果を求めるマインドよりも、最大の努力をしようとするマインドが大切だと私たちは考えます。

努力せずに結果を得る生き方は実際ありますし、それを求めることを否定はしません。しかし、私たちは、そうした結果論的世界に住む住人よりも、心情倫理的世界に住む住人を育てたいのです。
それこそが教育の使命だと信じているのです。

そして、人より書を丁寧に読み、人より時間をかけて努力できる者は、結果として相応しい成果を手に入れるということは、ここまでの指導経験からはっきりしています。

もちろん、対策や暗記、あるいは不正でも成果は得られるでしょう。
しかし、私たちが子どもたちに教育を与えるのは、そんな成果を得るためだったのでしょうか。
教育は今の社会で得して生きるためにあるものだったのでしょうか。

否。
教育は今の社会を刷新させ、新たな活力を生み出し続けるためのものだったはずです。
それを忘れた社会は停滞するしかないでしょう。

私たちは、理想の旗を掲げます。
点が取れれば良いという態度ではなく、自分の内なる「小5」が理解できるまで時間をかけて確実に理解するという態度で学べる者たちの世界を広げたいのです。それが地域、国、ひいては世界のためになると信じているのです。

私たちは「この」読解力を鍛え、人生を切り拓く力を育てようとする塾なのです。

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