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エデュカーレ2021年9月号~ 君たちはどう生きるか

ぼくがサイエンティスト=プラクティショナーとして確信している唯一のこと

 よく話すことだけれど、ぼくは「せんせい」という職業には二つの側面があると思っている。実践家の側面と分析家の側面だ。専門的にはサイエンティスト=プラクティショナーという。
 どういうことかというと、「せんせい」は君たちの成長を願う職業だ。どう育つのが良いのか、どういう大人になってほしいのか、そういうことをいつも考えている。「せんせい」は、勉強を教えれば済むなんてほどのレベルの低い職業じゃない。
 どう育つのがよいか、どういう大人になればよいか、そのためにはどうしたらよいかを考えるうえで、ぼくたち「せんせい」はサイエンティスト(科学者・分析家)でなければならない。つまり、データを集め、相関関係を把握し、仮説をたて、因果関係を立証する必要がある。
 思い切って、もっと具体的に話そう。ぼくは今までに教えた教え子たちのなかで、社会に出て活躍している人や、充実した人生を送っている人たちのことを、また逆に、あまり幸せそうじゃない人たちのことを観察してきた。そのうえで、どんな「今」の過ごし方が「将来」にどう影響するのかを確かめてきた。
 そして、そのうえで今度はプラクティショナー(臨床家・実践家)として、君たちに関わることになる。こういう場合にはどう接したらいいのか、実際にやってみて、反応をみる。そして、それをデータとして、またサイエンティストになる。こういうことをくり返すわけだ。
 子どもを上手に育てる公式なんてものがあれば簡単だ。でもそんなものはない。というのも、ぼくのところに君たちが来る時点では、もう君たちは多種多様な方向に「出来上がって」しまっているから。ぼくができるのは、魔法を使ったりスイッチを押したりして君たちを変えることじゃなくて、情報を伝えながら行動の変化を手伝うことだけだ。
 そういうわけで、いまの時点でぼくが信じていること(情報)を記しておこうと思う。

 ⑴ 頭は使うから良くなる。工夫する人は強い。
 ⑵ 動くから発見がある。どんどん失敗できる人は強い。
 ⑶ 自分がうれしくなることより、他人をうれしくさせる行動をとれる人の方が強い。
 ⑷ 自分を信じられる人は強い。

 これはぼくからの強制ではない。自分で気づくことに意味があるし、なんなら、疑ってみることに意味がある。でも、ちょっと意識してみてくれるとうれしい。
 君の人生は君のものだ。決めるのは君だ。そして、その力が君にはある。ぼくはそれを信じている。ぼくがサイエンティスト=プラクティショナーとして唯一確信しているのは、実は、「信じられたは子は強い」ということなんだ。
 ぼくは君たちを信じる。さあ君たちはどう生きるか(S)