「君は運がいいか?」
こう訊かれたら、君はなんと答えますか。
この問いは、松下電器(現パナソニック)の創業者で経営の神様と呼ばれた松下幸之助さんが、採用面接の最後に訊き、採否の判断としていたものです。
運については近年、心理学の研究で多くの分析がなされいろんなことがわかってきました。その研究結果から、運を良くする方法もはっきりしてきました。
運を良くする方法、知りたいですか?
ずばりお答えしましょう。それは、
「自分は運が良いと思うこと」です。
イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンさんによると、運が良い人の行動には特徴があります。次の四つです。
1.チャンスを最大限に広げている
2.虫の知らせを聞き逃さない
3.幸運を期待する
4.不運を不運としない
運が良い人というのは、幸運に出会うチャンスの多い人です。1も2も3も、すべて幸運に巡り会うチャンスを広げるものです。
しかし何より大切なのは4でしょう。
実は、幸運か不運かは、かなり主観的判断です。すなわち、同じことを経験しても、それを幸運ととるか、不運ととるかは人によって違います。
たとえば、何らかの「失敗」をした時に、「良い経験をした」と思える人と、「すごく運が悪い」と思ってしまう人がいます。同じ経験でも、幸運ととらえるか不運ととらえるかは違うのです。
さて、この二つの考え方、どちらが幸運に巡り会うチャンスを広げますか?
運が良いと「思っている」人は、すべてを前向きに捉えてどんどん行動します。だから、つぎつぎと新しいチャンスに出会うことができるのです。
松下幸之助さんがなぜ採用の合否に運のことを訊いたのか少しわかる気がしませんか?
ある記事は、この問いに込められた松下さんの思いをこう記しています。
「自分は運が強いんだと確信していれば、どんなことも受け入れて立ち向かう勇気と力が生まれてくる。人から見ると決して運がいいとは思えない状態であっても、自分は運がいいと思える前向きな考えができる人がふさわしい」
君は、自分が運が良いと思いますか?(S)