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不遇の時期こそ幸運な時期

 ご案内の通り、学創生の今春の入試結果は素晴らしいものとなりました。大学入試ではすでに早稲田大学、慶應義塾大学をはじめ、東京理科大学、青山学院大学、中央大学、法政大学等に合格が出ています。完全オンラインになって2年を学創で学んだたった5名での実績です。また、高校入試では、先般お伝えした青山学院高等部等に加えて、都立でも、立川高校(創造理数)、武蔵野北高校、調布北高校等の合格結果が届いています。こちらは、中3生11名からの実績です。3年間何の広告も出していない小さなオンライン塾の実績としては、なかなかなものだと自負しています。
 さて、しかしながら、毎年この時期は、そうした華々しい結果を出した人たちよりも、むしろ苦杯を喫した人たちのためにこそ重要だとぼくは思うのです。だから、今回も、そういう悔し涙を流している君に語りかけたいと思う。
 ゴルファーのレジェンドに「帝王」と呼ばれたジャック・ニクラスという人がいます。ゴルファーたちの間で知らない人はいないほどのビッグネームです。その彼がこんな言葉を残しています。

「不遇の時期こそ幸運な時期なのだ。私はこの灰色の時期を自らに与えられた鍛錬の機会と信じていた。」

 人生において大切なことは何でしょうか。一時の成功体験でしょうか。違います。成功体験なんてクソ喰らえです。大切なのは、成長です。いろんな経験をしながら人間として成長することが一番大切なのです。それには、成功よりも失敗の方が糧になる。
 君はとても悲しい気持ちを今持っていると思う。それを存分に味わってほしい。この失敗を無かったことにしないで、しっかり悔し涙を流してほしい。その経験が必ず君の人生を豊かにしてくれるとぼくは信じています。
 いささか蛇足的だけれど、もう一つ、ジャック・ニクラスの言葉を付け加えさせてください。

「人は心から楽しめるものについてのみベストを尽くせると私は信じる。楽しくないことに高い能力を発揮するのは至難のわざだ。」

 毎年、受験生を眺めていて、結果のために「嫌々」頑張っているように見える人たちがいます。ぼくの勝手な統計では、そういう人たちの方がやはり合格率が低くなってしまう。というのも、嫌いなものは深くは掘り下げられないからです。ただ量をこなしたり、本当はわかっていないのに答えが合ってたからと先に進むような勉強になりがちです。だから、自ずと楽しめない。
 結果を出すことだけに囚われたら楽しめない。そしてその結果、また浅い勉強になる。負のスパイラルです。時間はかけるのに、頭には何も残らない。
 結果のことを気にしなければ、何でも楽しめます。そして、その結果、とても逆説的だけど、結果が出る。楽しんで続けていれば、自ずと結果が出る。
 ぼくが君に一番望んでいることは、人生を楽しんでほしいということなんです。人生という長い物語において、一時の成功も失敗もほとんど意味を持ちません。それらから何を学び、どう成長したかが大切です。
 ぜひ思い切り悲しんで、思い切り悔しがって、そしてそんな人生を存分に味わって、そういうのを丸ごと含めて自分の成長を楽しんでほしいと思います。
 君はこの長い人生をどう生きますか。(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)