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質問は「わかる」ためにするのではない

 学創に入塾の問い合わせをされるお母さんから、たまに「この塾は質問はできますか」と訊かれることがあります。この質問を受けると、ぼくはちょっと驚いてしまいます。この日本でいまだに大人に対して質問してはいけない場所なんてあるわけないと思っているからです。
 まあ、もちろん、訊かれた方はそういうつもりで言ったのではないでしょう。授業の進みについていけないときに、質問をすることでフォローしてもらえるのか、という意味なのだろうと思います。
 君たちは学創の授業を知っているから、学創が「質問できる塾」であることは知っていると思います。いや、むしろ「質問しなければいけない塾」だと思っている人もいるかもね。笑
 ところで、上のような問い合わせがあるせいか、「質問できます!」とか「質問室があります!」なんてことを売りにしている塾もあります。そういうのを見るとぼくは、教育のことを考えていない、ただの商売文句だなって思ってしまいます。
 だって、上にも述べたように、質問なんていつでもどこでもできるのが普通だと思うからです。学校でも質問ってできますよね。
 でもね、じゃ、皆が質問するのか? 質問できるよって言われたら、質問するのか?
 「質問ができるか」と訊くべき相手は、塾や学校ではなくて、君たち本人に対してなんだよね。
 「君たちは質問できますか?」
 これが質問に関する第一段階の話です。

 さて、もっと本質的な話に移っていこうと思います。
 質問はした方がいい。ではなぜできないのか。それは根本的な考え方が間違っているからです。質問をなかなかできない多くの人は、質問は「わかる」ためにするものだと思っている。そして、その根本には、「聞けばわかる」「一発で理解できる」という安直な勉強観が横たわっています。
 でも残念ながら、一発でパッとわかるようなレベルのことを学創では教えていません。一輪車に乗れるようになるのと同じように、何度もチャレンジする中でやっとできるようになるようなレベルの勉強をぼくたちは扱っています。
 だから、何かをわかった気になる質問には意味がないし、そういう発想ではこのレベルの授業に質問なんて出てこないのです。
 では、質問はなんのためにすると考えればいいのか。
 質問は、自分の課題を明確にするためにするのです。自分はここがよく理解できていないということを自分と周囲に対して宣言するものなのです。質問したって解決はすぐには訪れない。しかし、その問題はしっかりと課題として記憶され、毎日の生き方や将来の成長につながっていきます。
 堂々と皆の前で質問していた先輩たちが成績を伸ばしたのを君たちも見てきたでしょう? ぜひ、課題を明確にするために質問してください。
 君たちはどう質問しますか?(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)