新しい年が始まりました。
人間はこうした節目に意味を与えることで、新たな活力を得て、多くのものを生み出してきました。
君にはぜひこの節目に、時間をとって一番大切なことをやりだしてみてほしいと思います。
それは、どう生きるかを考えることです。
夢を持てと言っているのはありません。夢を持つことは素晴らしいことですが、本物の夢というものは、実際に行動して試行錯誤しながら見つけていくものであり、その辺の大人が言うほど簡単に持てるものではありません。
今ふと思いつくような夢なんて、すでに世にあるものの焼き直しでしかないはずです。本物の夢は、君の生き様に根ざした真にオリジナルなものであって、職業名で語れるものではありません。どんな職業であっても君にしかなれないそれになることが大切です。
だから、ぼくは夢を持てなどと無責任に言うつもりはまったくありません。むしろ、夢を持てる人間になるために、どう生きるかを考えてほしいのです。
では、どう生きるかを考えるとは具体的には一体どうすることなのか。
それは、目の前のことをしっかり経験するということに尽きます。目の前のことに深く入り込み、味わい切ってみることです。誰もがやる当たり前のことを、人よりも深くやる。人よりたのしんでみる。あるいは、人より苦しんでみる。ちゃんと怒ってみる。ちゃんと悲しんでみる。
そんな経験をくり返すなかで、自分の本当にやりたいことを少しずつ形作っていく。こういうことがどう生きるかを考える実践、すなわち善く生きるということなのだと思います。
いま君の目に映る人生の舞台は君にしか見えない世界です。まさにその世界こそ君自身なのだと言うこともできます。そのオリジナリティ溢れる世界をしっかり味わい、自分だけに許された相応しい夢を持てるようになってほしいと思います。
冬期特別講座では、特別な方法に逃げようとせず、しっかりと目の前の勉強に向き合っている受験生が目につくようになりました。頼もしいことです。
人生は長丁場の戦いです。今をしっかり生きることが成長につながり、それこそが君の人生を豊かにすると信じます。
君たちはどう生きますか。(S)