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楽しさの先にある自発性

 最近、2つのニュース記事を興味深く読みました。
 ひとつは、小学校で英語を必修化して英語嫌いが増えたという記事。もうひとつは、世界トップクラスのハーバード大学に日本の高校から進学した人がいつから英語を勉強していたかという記事です。
 小学校の英語必修化で英語嫌いが増えるというのは授業中にぼくがよく予言していたことですよね。ぼくは小学生から英語をやることには必ずしも反対ではないのだけど、いまの日本の学校教育では難しいと思っています。
 ハーバード大学に進んだ人についての記事には面白いエピソードが載っていました。家の近くにあった英語の塾に小さい頃から通い、全然英語はできるようにならなかったけどとにかく楽しかったという方のものです。その方が、同時に通っていたそろばん塾はとても厳しくて、先生がこわくて必死にやって、計算はすごくできるようになったけれど、楽しくないから嫌になったということも付け加えられていました。
 教育は嫌なことを無理やり与えるもの、やらせるもの、という残念な教育観が蔓延っています。これが残念なのはなによりもまず単純に非効率だからです。そしてそのような教育観を持ってしまうのは、大人たちが教育の目的を見失い、目先のちっぽけなことに目を奪われているからです。
 パブロフは、「パブロフの犬」の実験によって、訓練で新しい行動を獲得できることを示したとよく紹介されます。しかし、彼の発見の本当に大切なことは、好きなこととセットになった行動は獲得され、嫌なこととセットになった行動は減っていくということです。
 さて、ここにパブロフから発展した、現代の行動科学の技を付け加えると、君たちにはもっと役に立つでしょう。行動科学はこう教えてくれます。楽しんでやれば楽しくなるよ、くりかえし続けていると好きになるよ。
 楽しそうに勉強をしてみましょう。そして、楽しくなると思ってくり返してみましょう。勉強は、歴史の長さだけ人類を魅了してきたものですから、必ず楽しくなります。目先の点を取るために嫌々やるのではなく、わかることを楽しんでみようとしてやってみましょう。
 君たちは、どう勉強と接しますか。(S)

学習力創造アカデミー 学創(GAKUSO)